ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
裏返りの印象は残るが、対象自体はそこにとどまっている。次に汁が飛び散って対象はこちらへ飛んでくる。さらに次はにおいまでやってきて、出てくるものも気味が悪くなる。最後には「僕を裏返」すと「いろいろ いらないもの」まで出てくる(多少の自虐(ゝゝゝゝゝ))。この並び方が、加速していくみたいでいいと思う。そして愛を裏返して、その加速を急に止める。何も出てこない。で、引用部に至る。「ふわっと」がいい。そこの改行で少年のふわっとという声を聞き、なんともいえない浮上感を味わうのだが、次の2行で軽〜く否定されてしまう。そのへんのかわいらしさったらない。次に、「裏返ってる僕」がもう一度登場して、「がっかり」してみせ
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