生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
練炭自殺を試みたとして、そのある一時点で聞いたフレーズが、そのあとに続かずに(耳はきちんとその音を拾っているはずだが)、そのフレーズで延々とリフレインをくりかえし、くりかえしつつ、恐ろしいものに変形していく。そしてそれに伴って「自分で自分が制御できなくなっていく」ということを強く自覚し、なんとか制御状態に戻ろうと焦ってパニックに陥るだろう。僕が初めて飛行機に乗ったとき、離陸時の加速が恐ろしかったことを覚えている。それ以上速くすると、もう戻れなくなるよ!と怖くなったのを覚えている。そしてパニックに陥りそうになる。パニックに陥れば、せっかくうまくいっていたことが、逆にめちゃくちゃになってしまったりする
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   グループ"フレージストのための音楽"
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