沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
 
その美しさを産むのだろう。対比ともいえるのかもしれない。たとえば崖をのぼる水の「6.」の後半と「7.」の前半のくりかえし的対比。くりかえしではなくて、意味内容が変わっているし、それが対比によって両方が美しくなる(特に7聯が)。リズムも、「まだ/それでいい」から「もう/それでもいい」と、すこし変わっていることに、音楽が生まれる。もしこれが、「もう/それでいい」だったら、内容的にもリズム的にもかなり落ちただろう。「それでいい」の放棄的雰囲気ではなく、「それでもいい」の諦め的雰囲気であること、そして、音が増えたことによって、そのあとの永遠の沈黙がより豊潤になるであろうこと。この詩にもどる。この詩のいちば
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   グループ"フレージストのための音楽"
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