尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
 
んできます。文はそのままこう続きます。

 もう直ぐ太陽が出る。大きな大きな蓼科の上の空が透明な水仙色になる。竜ガ峰のスカイラインに近く、空はわけても上気し、興奮し、何らかの奇蹟が今やまさに行われんとするかの気配を示している。

喜八さんも一緒に上気し興奮している感じがとてもいいですね。

以上、「たてしなの歌」より



「念場ガ原・野辺山ノ原」より

自然描写とそれに対する熱い賛美のうたは相変わらずである。詩人の文章である。!をとにかくつかう。

 雨は十分ばかりで止んだ。眺望が開けて来る。
[次のページ]
   グループ"フレージストのための音楽"
   Point(3)