尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
 
対する女らしいたしなみか、汚点も皺もない白い割烹着を着ている。目鼻だちのすぐれて整った、凛とした十六、七の娘である。 p.91

でました。十六、七ですよ、奥さん!おいしいですよ!まだ続きます。

話しかけられて笑うと、きれいに並んだ歯並が率直に光る。都をとおい山育ちの処女の純潔と、妙齢の特権である健やかな美とが、六月の朝を淙々と落ちる山清水のかたわら、聳え立つ高峻金峰の下で、一篇の詩、一幅の絵の好箇の主題となっている。

たまりませんね、奥さん!都をとおい山育ちにしかない処女の純潔でござるよ。妙齢の特権である
[次のページ]
   グループ"フレージストのための音楽"
   Point(3)