固有名詞と反復のスピード/マスイジュウ氏の詩について/渡邉建志
次の言葉を選択していくとき、我々の笑いを誘うのは何といっても(意外性をもって現われてくる)固有名詞である。意外性というのは論理的(縦方向)でないことで、むしろ音的な連想(横方向)であることだ。で、ヒップホップにおいてはたいてい韻という関係性のなかで、論理的関係性の無いものが併記されることになり、その意外性が我々の笑いを誘う。
これも一種のヒップホップフリースタイルとして読んでいいんだろう、と勝手に思う。論理のくもの巣から逃れられない私はどうしてもこの詩を解剖して見たかったのである。解剖したところで私にはできないことはわかりきっているのだけれど。文と文をどういう理屈でつなげていくかと言う
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