「名」馬列伝(18) ノーザンポラリス/角田寿星
 
も増えた彼は、珍しくゲートをまともに出て、早めに先頭に立ち、上り最速で快勝。
まさにテンよし、中よし、仕舞いよしの、5馬身差の完勝劇で、レコードタイムのおまけつき。
ナリタブライアンの三冠を阻止する数少ないライバルのひとりとして、菊花賞の舞台に立つはずだった。

しかし、本番の菊花賞に、彼の姿はなかった。
嵐山ステークスのレース後、彼は深刻な脚部不安に陥ってしまう。
もともと脚元に不安のある馬だったらしく、厩舎スタッフは、わざと飼葉を食い込ませ過ぎずに、軽めの仕上げで出走を続けてきたらしい。
それでこの戦績は立派なものだが、とうとうパンクしてしまった。
脚部不安は思いのほか重傷で、
[次のページ]
   グループ"「名」馬列伝"
   Point(5)