ALICE‐不思議ともう一つの国‐/愛心
 


『アタシも独りぼっちだけど あのウサギみたいに』

汗を拭い

『求められることも』

軽く咳き込み

『同情されることも』

胸を押さえた

『何もないんだ』

彼女はあたしに向くと あたしの向こう側を指した
そこにいたのは ぼろぼろな赤と黒の服を着た 子供たち

『アタシの指令なんだ』

『アタシの大好きな色に塗り替えられるまで』

 白い薔薇が子供たちの涙によって 赤く染まっていく

『薔薇も 子供たちも 眠ることはない』

この人は なにが したいの?

『傲慢』

『知ってるよ』

彼女が口元に 微笑を浮かべた


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