開眼/伊月りさ
戻ってみると
それは満を持していて
あああはち切れそうだったのだ
と知る
傍観から身をよじって
ひらめいた監視を
始めたのは、そこにわたしが懸かり始めたからであって
勿論、
出した指先も弾かれるし、
なにか赤い水滴もキラめくような
恐ろしい巨きなやつも勿論、います
そして胸骨の隙間から内蔵を狙う
わたしを試すたくさんの目があるのだけれども
真っ直ぐに、わたしは
射らないではいられない
認知を、
認知していると主張をし
ないではいられないことを
自意識と呼ぶかも知れない
と
考えていることが成長なのだとしたら、
慶ぶ
方々を裏切りたくなるので、杞憂
わたしは青い
遠い、
呟くあなたの伏し目を
光らせるなよ、
わたしの言葉をわたしだと思うな、
と唾を飛散させるこの両眼
皮の堅いままに
切り離されても育っていく
この
止めどない先端は、なにを
見ている
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