投身/伊月りさ
 
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探ってしまった
竦むわたしを殺したい

靴の裏が青いインキなら一本の川になっただろう
毎日同じ道を通らされた十代に
諦めをおぼえ
るしかなく
世界が悔しく
独り善がりの革命で棄てたはずの生き易さが
ここまできて懐かしいわたしという人間にさようならをするのだ

一滴も遣らずに育った
届かなかった逞しさをブーケにして
ああ、見ておいで、きみ
これがその証明だ
わたしの命はいまに大
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