縁の下 / 夏の記憶/beebee
 



神社の縁の下は雨宿りの場所で
みんなの隠れ場所だ
賽銭箱の階段の脇から入って
宝物を蜘蛛の巣の奥に隠した
捨て犬も捨て猫も一緒に連れ込んだ
仲間だった
みんなの共有財産
街のお兄さんの外国雑誌は
廃品回収の後に持ち寄った
付いた土で写真がザラザラして
折れ曲がって湿気た匂いがした
近くのお寺の兄ちゃんがみんなを呼んで
見せ合いっこをした
親指のように曲がったチンコと
ツルツルな白い尻
板目の隙間から天井がみえた
覗くと鄙びた日向の匂いがした
だから夏休みのような気がするのだ
思い出せない断片的な記憶
街の神社の縁の下
秘密の匂いがした

   グループ"散文詩"
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