償いの前に/しろう
 


別れのない日などなかった
夢の覚めない日もなかった
真夜中の貨物列車の車輪の響きが
テノールのビブラートの余韻となった

日々に慰安が欲しいと言ったら
スプラウトは笑い、シルフが慰めた
冬の手指がさらに乾いてひび割れた





   グループ"七行詩"
   Point(2)