哀しみは河の流れのように/渡辺亘
哀しみが河の流れのように
続いていくとしたら
流れはどこまで
どこまでいくのだろう
喜びの大海へと
注ぎ込むのは
いつの日のことだろう
哀しみが星のように
またたくとしたら
輝きはいつまで
いつまで続くのだろう
喜びの太陽によって
かきけされてしまうのは
いつの日のことだろう
哀しみが風のように
吹き抜けていくとしたら
風はどこまで
どこまでいくのだろう
天空の輝きに
とけていくのは
いつの日のことだろう
哀しみが大地のように
しっかりと根づいているとしたら
喜びの芽はいつになったら
いつになったら芽吹くのだろう
哀しみの根が深いほど
大輪の華も咲くだろう
哀しみが青空のように
どこまでも
どこまでも
輝いているとしたら
それはそれで尊いだろう
どこまでも
どこまでも
輝くさまに
旅人はきっとみとれるだろう
そしてそっと自身の哀しみを
癒すのだろう
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