アレン・ギンズバークとクリスマス、そして僕のこと/芳賀梨花子
 
みに階段は利用したことがない
25階から2階までエレベーターは止まらない
高層ビルって言うのはつくづく親切なのか不親切なのか
ロビー階についてエスカレーターで一階に下りる
一階正面玄関右側には小さな花屋と小さなギフトショップがあって
ギフトショップにはキティちゃんとかのレターセットも売っている
ギフトショップの女の子はいつもふたりいて
背の高い女の子の方は今日はお休みらしく姿が見えない
彼女は鈴木さんといって通りすがりの僕らに「お疲れさま」といってくれる
花屋のおばちゃんは「お疲れさま」と言ってはくれないけれど
彼女は毎日違う柄のエプロンをしていて
僕はそれが楽しみだったりす
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