忘れない為に/海月
 
静かに夜は明けて
眩しい光が辺りを照らす

その単調な繰り返しを繰り返す
嫌になっても変える術を知らず
心身が慣れるのを待つだけ

反発しても最後には諦め
感情を殺して思い止まるしか他はない

誰しもが絶対に起こること
それは消えてしまうこと

誕生と消滅を繰り返す
幼い頃に作ったシャボン玉
綺麗だけど一瞬にして消える
だから、また吹いて作る
だけど、それは同じ形ではない

どんなに頑張ってみても同じ物は出来ない
どんなに縋り付いてみても感じる事は近づけない

君に会いたい
君に逢いたい

だけど
その願いは叶う事はなく

死を待つだけの身とは裏腹に
現実は僕を生かす

数日もしたら忘れてしまうだろう
だから、僕は明日もこの詩を読む
君を忘れない為に

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