死ぬ雪/ゆうさく
ありえない数の
人の涙は
知らぬ間に
雲へと吸い取られ
雨となる
(僕の目の前で雪が死んでゆく)
神はそれを固体化し
白くペンキで色をつけた
人はそれを
「雪」と呼んだ
(僕の目の前で雪が死んでゆく)
雪は誰かに
受けとめてもらうために
空からまっさかさまに落ちて
何か温かいものに触れて
ふっと消える
(僕の目の前で雪が死んでゆく)
雪は寒くてたまらないから
温かいものに触れようとする
そして死ぬ
わが身が消えるのも
恐れないのです
(僕の目の前で雪が死んでゆく)
雪さん雪さん
儚いね
儚いね
雪さん雪さん
さようなら
さようなら
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