微炭酸の夢/三州生桑
 
湯せんにかけて
やはらかくなった冬の月に
銀河のアラザンをちらし
薔薇色の粉砂糖をまぶし

僕がひとかじり
君がひとかじり

 微炭酸の夢が
 恋人たちの舌の上を
 ゆるりゆるりと揺蕩(たゆた)って


「月が欠けちゃったね」
「月には自己治癒能力があるんです」
「大好き」



「ねぇ、大好き」


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