風の通り道/海月
 
静かに日常の歯車は廻り
その横で穏やかに影が出来る

平凡な毎日を僕はやり過す
意味もなく遠くまで足を運ぶ
風は冷たく僕に当たる

四次元(気持ち)の中で渦を巻き
愚かな夢ばかりを見てしまう

現実は部屋の中で孤独をやり過すだけ

薄気味悪い電球の下で
真実を仮想として捉え
理想の中で生きている

横断歩道橋の上で祈りを捧げる人
その祈りは誰に向けたものだろう

叶う事ない程に信じ
叶ってしまった時の
喪失感と絶望感

常に僕ら(人)は何かを探している

僕は君の掌(たなごころ)の中で旅人化す

机上の空論みたいに
出来もしない事ばかりを語り
現実を直視せずに
逃げ道ばかりを探す

今にも僕はその場所から落ちそうだとも知らずに

日常の歯車は音もなく廻る事を止め
その横で僕は穏やかに置いて行く

風は静かに僕の上を吹き抜けていく

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