あかき月/
緋月 衣瑠香
寒々とした夜空
明々とした駅前
その中間にある一本の坂道
そこからは海の向こう側が見える
点々と輝くひかり
その所為か
頭の上にいる星達は
微かなひかりを放っている
今にでも消えてしまいそうに
そんな中
海と空の境目に見えた
とても細い
でも
煌々と輝くあかい月
でも
誰もそんなことには気付かない
街を行き交う人々は
この地しか見ていない
今も密かに浮かぶ
あかい月
ねぇ
誰か気付いて
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