少年コーラ again/ゆうさく
秋の静けさに
少しいらだつ。
冷たい風に
買った冷たいコーラ。
同化するコーラを見て
少しいらだつ。
落ち着いた秋に
反抗したかった
静かな秋に
半そで半ズボン
まだ夏が染み付いたままのサンダル
名札の針で
缶に穴を開けて
砂のついた指で穴をふさぎ
思いきりふる。
勢いよく真上に飛び出す夏の雫
夏の想い出と一緒に
空に浮かべる
弾けた夏の想い出を
野球ボールに閉じ込めて
夢がかすかに浮かぶ、
バックホームめがけて
全力で投げる
キラキラ輝く、
投げたボールは
キャッチャーをも飛び越えて
少し湿った草むらへと消えた
あの夏が蘇ってくるよ
青年コーラ、again
少し大人になった私
青春は終わらない
静かな秋は
青年の香り
あの夏が蘇ってくるよ
少年コーラ、again
炭酸は抜けない
弾けた夏は
永遠の香り
いつまでも、
いつまでも。
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