紅い帽子のサンタさん/あおば
販促台詞が分かんないのが
恥ずかしく、もどかしい
高校生のアルバイトかな
本心はもっとお話を
伺いたいと思ったが
これ以上遅刻をしたら怒られる
起きてからぐずぐずしていて
時間がなくなった
朝の大事な時間を空費して
メリークリスマスと訪れた
サンタさんと話す時間も無くなって
遅刻をしそうになっている
どこからか
怖い顔に怖い声が飛んできて
遊んでいるなと叱られる
舌足らずな
サンタさんと遊んだら
遅刻をしたなと叱られる
よく分からないから
またあとでと
よく分かんない台詞を呟いて
紅い帽子のサンタさんに
黙って帰って頂いた
販促のサンタさん
ドアの向こうに消えてゆく
視界の効かないドアの外
紅い帽子のサンタさん
なにも言わずにでていった
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