少女A/明日殻笑子
私という名の原石は
ダイヤでもルビーでもない
磨きつづけて光ったところで
それは未だ私でしかないわけで
あなたとの素敵な出会いを
親友は笑顔で試着した
店員の「おにあいです」の一言に
思わずおおきな鏡を見やった
顔も見れない私は端に切れて映ってる
どんな夕べが訪れていたとしても
朝の天使はまぶしいからね
昨日おとしたちいさな影なら
目覚めたひかりで容赦なく焼き尽くしてしまえるだろう
店員のAが発覚して
自分が踊り子に成り下がる
のを恐れた親友は
思わずおおきな鏡を見やった
店員のAは首だけ回して私を見てる
他人(ひと)の通した袖なら私はこれ以上いらない
少しの刺激にひびいて割れる
かた過ぎる脆さに全身から絶望した
店員では決してない私はどんなAなのかな
私という名の原石を
磨いてピアスにできるような時を
私はずっと待っている
ただそれだけだろう
ただそれだけ?
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