金星列車/肉食のすずめ
 
かたたん かたたん

夜のようだ

かたたん かたたん

まだ夜のようだ

かたたん かたたん
かたたん かたたん

いくつもの夜を越えて
目覚めても
やはり夜だった
眠るよりないから
夜なのかも知らん
寝台の窓は黄色の嵌め殺し
流れ行く景色
樹も畑も空も
時折見える人も
黄金色
金星には
昼も夜も
無いのかも知らん
そもそも
こういう色なのかも知らん
そんな情報は
知らん 寝る

かたたん かたたん
かたたん かたたん

二つくらい夜を越えて
目を開けたら
隣の寝台の
大きな目と合った
金星人は皆目が
大きいのかも知らん
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