なきがら/
ユメアト
思い出のなきがらを
脳髄からひっぱり出したくて
頭を掻き毟っても、
何度も剥がしたかさぶたが
消えない痕になるように
コピーされて
劣化しても
残っていく
濡れた睫毛は乾かないなら
いっそ炭になってしまえば
いいのに
願っても
祈っても
椿のように
ほろりとは
死ねないものだ
私に優しくないものなど
何一ついらないのに
なきがらを携えたまま
生きなくてはいけない
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