鍵 /服部 剛
 
壁の取っ手にかかった鍵は 
紐(ひも)がほどけてするりと落ちた 
それを拾って結んだぼくは 
壁の取っ手に再びかけた 


( 紐をつまんで手にした鍵は
( いつも人の心の鍵穴に
( 入って扉を開こうと 
( 振り子のように 
( 揺れていた





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