限りなく愛は自由を奪う/ネコ助
上の子が『パパァ』と絡み付く。
遊んで欲しいのだ。
下の子が泣き出した。
おしめかもしれない。
それは、全く時を構わず、
親の都合を構わず、
甘え、頼り、私を求める。
解っているのだ。
しかし、私の尻は重い。
妻は私を叱る。
それから小さな喧嘩も始まる。
結婚の甘い時なんて、
おおかたこのあたりで
終演となる。
私は自分の時間が欲しい。
自分を無性に生きる自由が
欲しいのだ。
自分を生きようとする時、
無心になっている時、
子供が私を求める。
その時、『邪魔』と脳裏に走る。
私は自分を犠牲者と思いながら、
しかたなく自分を殺している。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)