回想/yukimura
目を閉じれば神が見える
目を開ければ貴方が見える
痛みに慣れるより 痛みを捨てるより
痛みの無い世界を獲得する事は難しい
その代償で彼等は 言葉を失くしてしまった
帰属する場を減らして
人が生きていけるのだろうか
死神が新たなリストをDLすれば
今度こそ私の名は表れるかもしれない
もうきっと そんなとこに来ている
今までの長い時間を過去へと逆戻りする
短い旅の中で
草臥れた駱駝と一人の老人を見た
駱駝の両側には水瓶
老人の手には方位磁針
都会の真ん中で立ち尽す彼等は
きっとどれ程も歩いては来なかったのだろう
歩いては来なかったのだろう
人
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