25/yukimura
舞い落ちる雪が貴女の体温を下げる
愛は儚く 掌に溶けてなくなるから
瞬く間に街を覆ったイルミネーションの
カラフルなLEDが僕らを照らす
僕らの喜びと切なさを 幸せとノスタルジーを
立ち込める白い息を抱え 夜は歩いていく
人の数だけ愛はあるだろう
愛の数だけ天使はいるだろうか
すれ違う恋人たちの瞳の中に
今夜、一時だけ 柔らかく揺れる羽
視界を横切る一匹の猫のような
透明な声で鳴く 気紛れなそれが
抱き合う人の上で 饒舌な風に踊る
それは想いの連結を告げる 祝福のfreestyle
来年もこうやって過ごせたらいいね
再来年も一緒に生きていられたらいいね
永遠が存在しない、なんて嘘を
今だけは信じないから
舞い落ちる雪 降り積もる夜に
貴女の震える手を握りしめる時
僕らの天使は名前のない歌になって
二人の心に そっと沈む
戻る 編 削 Point(3)