機械少女/haniwa
ある日松葉通りで少女を助けた.
少女はガラの悪い男に絡まれていたわけでもなく
落とし物をしたわけでもなく
道に迷って途方にくれていたわけでもなかったが
助けを求めており
僕はそれに答えた.
少女は大変感謝して
お礼にあなたにこれをあげます.
そういって右手を差し出した.
これはわたしのこころの部品です.
開いた手のひらには銀色のボルトがあった.
少女とわかれたあと,
僕はボルトをしげしげと眺めながら帰路についた.
どうみてもただのボルトだ.
こんな,なんの変哲もないボルトや
ナット,シャフト,歯車,そしてクランク機構
そういったものが有機的に組み合わさって
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