寄り添い/ネコ助
 

夕暮れの
紅き流れのきらめきと、水面を渡る
風のもろ手に撫でられて、
君の黒髪は
恥ずかしそうに夕日にはだけている。

私は
遠くの日を見ている君の横顔を見ながら、
なぜだか、そっと後ろへ
君が風景に小さく溶け込むくらいに遠ざかり、
そこに君を置いてみた。

やがて君は、独り言になった自分と
小さくなった私に気づき、
きょとんとしてこっちを見ている。
私は、君の踏み出す足の動きを追いながら、
どうして私に向かって近づくのか
それを解く時間がとても大事そうに思えた。

君は、私の顔と、足元の石を交互に見ながら
『どうしたのっ』と、呟きながら
一歩、一歩、
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