夜道の信号 /服部 剛
 
うたた寝をしていた 
週末の終電を降りると 
駐輪場に一台 
自転車は倒されていた 

それを黙って立て直し 
冷えたサドルに跨(またが)って 
軋んだペダルを今日も漕ぐ

人通りの無い深夜の道 
何処までも伸びる歩道脇の白線の上 
軋(きし)んだペダルを明日へ漕ぐ 


( ひとすじの道の向こうに 
( 明日も変わらぬ陽は昇る 


遠くに小さく見える
赤信号 

青に変わった 




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