ミゼット(17〜29)/ミゼット
 
をひらく」
それはうた めざめてのぞむ ただひとつ かみさまわたし、うたっていたい



「座敷牡丹」
黒髪は鋲で畳に留めてある 喚く人形 乙女の抜け殻



「献身」
わたくしを亡くしたあなたのその顔が楽しみなんです。だから赦すの。



「蘇生」
輪廻する乙女生まれて老いて道辿る 赤と花とに導かれてゆく



「ill」
病める子が閉じこもる部屋 午前二時 打ち寄せる波は脳の中から



「世界の終わる日」
水葬の小船が沖へ走り出す さよなら乙女 さよなら世界



「惑星」
宙を見る死産のこいと寄り添って泣いてしまうから宙ばかりみ
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