会えない女/
ネコ助
起きもせず、眠りもせず
顔の前の空気を、音もたてず吸っている。
この悲しい痛みは消えはしない。
ふとした吐息の谷間に流れ込む
夜の冷気は白きくもりを描いて消えて行く。
月のテラスに
癒せぬ痛みを冷やし、
ただ虚無の時を過ごしている。
星が一つ流れた。
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