violet & violet/琉碧 翡翠
のかもしれない。
あるいはそれは、欲情だったのかもしれない。
紫色の剃刀で この手首を切り裂いて
紫色の血が出たら 全て舐め取ってくれるかい?
紫色に霞んだ この狭い視界に
紫色に汚れた 世界が映し出される
あるいはそれは、僕だったのかもしれない。
あるいはそれは、君だったのかもしれない。
あるいはそれは、愛情だったのかもしれない。
あるいはそれは、憎悪だったのかもしれない。
あるいは僕は、生きていたのかもしれない。
あるいは君は、死んでいたのかもしれない。
あるいは僕も、死んでいたのかもしれない。
あるいは君も、生きていたのかもしれない。
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