川の底に置かれた石/服部 剛
 
Boy
話のわかる先輩とグラスを重ね 
生意気を言い放っては 
頭を撫でられている

Boy
姉さん達より自分の肌を瑞々しいと言った後
懸命にフォローの言葉で繕って
やっぱり頭を撫でられる

教室では
君の机と椅子だけが
陥没した床に沈んでいる

( 低い目線で見えるのは
  初々しいふくらはぎだけではないだろう )

(「立派な大人」の先生の
  ズボンのチャックに濁った光を
  獣の眼は捉えるだろう )

Boy
列車に乗るということは
登校や通勤を突き抜けた未来へと
線路を伸ばしていくことだ

(君の表情はみるみる青白く変色し
 列車
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