その後の世界/渡辺亘
 
とうとう私も年貢の納め時か
私は絶望し
傷つき
疲れ果てていた
体中から力が抜け
指一本動かす力も残っていない

その女性はあらわれて 言った
「あなたが何をしたのか分かりませんが
 傷つき
 疲れ果てたあなたを
 ほうっておくことはできません」
あなたは私を助け起こし
ベッドに連れて行き
介抱してくれた

しばらくして
私は本当に癒された
しかし私には何も残っていない
その後の世界を生きねばならない
今は
救ってくれたあなたに感謝する

その後
あなたは去り
一人
私は生きる
寂寞とした世界
水を飲むにも苦労する
この世界で
ただ

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