向かいのビルへ行って死のう/しゃしゃり
 
捨てたもんじゃないのだろうか。
靴は捨てちまえ、えい。
ビルから地面を見下ろし考えた。
いつか、俺と相思相愛になるやさしく可愛い女が、
もしいま、日本のどこかにいるとしたら、
俺にテレパシーを送ってくれ。
一分だけ待つ。
……

なにも感じなかった。
ほうりなげた靴が地面でばらけている。
あーあったかいスープが飲みたい。
朝の六時、国道のマックに灯りがともる。






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