河/
海月
人達はそっちに向かった
目の前に大きな河があるのなら漕がずして
その生涯を飛び越える事が出来る
その便利さと安全性は高い評価を得ている
誰もいない船の上で彼は声を出す
誰に言う訳でもなく
誰かに指示を出す訳でもない
それは自分自身に対する
嫌気なのかもしれない
その事を知るのは彼自身
「詩人から奪えるものは何もない
その状況を伝える事が出来る人だから」
彼は大きな河に船を浮かべた
一人分の小さな船を朝焼けに染まる海へ
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