詩人・一期一会 〜其の一・落合朱美詩集「思推」を読んで(上)〜/服部 剛
 
ま、
落合朱美という詩人の生き方と人柄を表す言葉であると僕は思う。
 落合さんからの私信を読む時にいつも感じることは、彼女の持っ
ている「明るさ」である。だが、数ヶ月前に手にした「思推」とい
う詩集を読み終えた後、僕の落合さんへのイメージは今迄と少し変
わった。
 この詩集「思推」の中には、落合さんの日頃の明るさの裏に、そ
っと身を隠している「もう一人の詩人・落合朱美」が独りで凛と立
とうとしている姿が見える。彼女が今迄詩を書いて来た密かな理由(わけ)
が、一篇々々の詩を読んでいると、時々垣間見える気がするのだ。 
 その密かな理由とは一体なんであるかを暗示する詩が、「風
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