眠る前に/海月
 
小さな指の間からすり抜けた思い出達
瞬きをすれば明日になっている
そんな毎日を今、僕は過している

理由もないのに涙が出るのは年老いたから?
過去ばっかり思い出すのは未来に希望が持てないから?

赤錆だらけのバス停に停まるバスは今はない
目の前をただ通り過ぎる
名前と場所だけは確りと刻まれて
それは悲しくもあった

時の爪痕はこんな所に刻まれている
ボロボロのベンチはうな垂れながらも座る人を待つ
ベニヤ板は柔らかくて誰かが座ったら壊れてしまう
それで壊れる事を望んでいる様にその場所にある

新品で自分の身長よりも高いランドセル
時間が経
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