連帯/yukimura
 
教室にあった1つの星が
逃げるように走り去った
彼女は多くの願いの的だった
「どうか1日も早く 消えてくれますように」

夜がくると僕は足早に家路を辿り
小さな部屋で息を潜める
真っ黒な窓の外を死は徘徊する
彼は他人と違う性質を好むので
僕は人々と同じようにおびえ
冷や汗の混じった息をのむ

世界は彼女を傍観した
彼らに一片の憐憫があれば
彼女は小さな肉体を落下させずに済んだかも知れない
僕に一対の眼があれば
彼女の盲目の情緒を確認することができたかも知れない

朝だというのに何も昇らない世界では
消息を絶った信頼と親切の代わりに
呆れるほど実直な常識と正義
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