迷宮入りの知恵の輪/こめ
 
夜巡る光は溢水もない

無限ではない人々の心の渦

海風がなびいて吹き荒れる

季節外れの海辺の砂のお城

夜の公園一人たたずむ僕のすがた

大した事もないが生きている世界

ただ螺旋状に拡がる人の輪の中を

残像を消し去るように駆け抜ける僕

冷戦激戦熱戦攻撃ステルス

意味も持たずただ泣きながら街を見下ろす影

叫び声は悲鳴に近くて狂ってる

住宅地に響く野良犬の喧嘩声

分かり切った嘘なんかつくなよ

ただ単純にシンプルに

形を切り取る熱線体

さび付いた銃の重さはおもくて

ずっしりとして冷た
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