今さら改めて/ネコ助
 

知らぬ間に築いた二人の世界。
私は君の胸の内を確かめたくなった。
さあ、君の心を聞きたい。

しかし、それが君を苦しめるなら、
唇よ開くな。
君の胸を痛めるために聞くんじゃないから。   

期待と不安の風は、私の目を干してゆく。
静けさは、君の放ったつれない時の流れ。
私の心は、ひたすら沈みゆく。

今更聞くべきではなかった。
私一人の満足のための言葉は、
幼い君に、重荷をかけたに過ぎなかった。

何も焦ることなく、
思いは一つの世界と、
一人で信じていればよかった。
ああ、我が心ばかりが。

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