マットレスではないから/FUBAR
ある日
いつものように学校に行ったら
口をぱくぱくさせてる者が
必死に
書きなぐってた
声が
出ない
声を
奪われた
奪われたんだ
次の日
いつものように学校に行ったら
口をぱくぱくさせてた者は
大口開けて
大声で
笑ってた
そしたら
ひっそりと
クラスの隅で
顔に痣をつくった者が
その次の日
いつものように学校に行ったら
顔に痣をつくった者は
控えめに
安心しきって
笑ってた
そしたら
クラスに
空席が
ひとつだけ
そのまた次の日
いつものように学校に行ったら
空席は
下唇をかみ締める
ため息の主で
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