ミドリ色の言い訳/
なかがわひろか
朝起きて
ミドリ色になった体を見て
本当は少し安心したよ
これでもう
苛められても
蔑まれても
虐げられても
『僕の体がミドリだから』
そうやって言い訳できる
反論しないモノ
ヘラヘラ笑っているだけのモノ
特に存在する理由なんかないモノ
そんな自分に言い訳ができる
人が人を蔑むのに大した理由は必要ない
体の色がミドリだから
それだけで十分さ
これで僕には
苛められ
蔑まれ
虐げられる
理由ができた
(「ミドリ色の言い訳」)
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