明日/海月
 
息を吹き込んで膨らんだ 紙風船
何回か空に打ち上げたら萎んだ
その度に息を入れる

テストの問題用紙で作った 紙飛行機
真っ直ぐに飛ばない姿は自分に似ていた
その度に分解しては作り直す

僕の知らない明日が何処かに転がっている
その明日を一度も指が触れた事がない
その感触は未知なる物

萎んでは息を入れ膨らます 夢風船
叶わないと解った途端に割れた
その度に新しい風船を探す

分解しては作り直して作る 夢飛行機
真っ直ぐに飛んでしまったらそれは詰らない
そうしたら丸めて捨てる

僕の知らない明日は目の前に転がっている
指を伸ばすと遠くの方に転がってしまう
その生物は未知なる物

新しい風船は膨らまし難く 不器用な僕には難しい
新しい紙は折り目がなくて 不器用な僕には難しい

紙風船に息を吹き込んで 遠くに投げる
紙飛行機を上手に投げて 遠くに飛ばす

全てが明日の先に転がっている事を期待して
次にそれに僕の指が触れた日が明日となる


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