日々の谷間で/服部 剛
 
烏が潤んだ瞳で

「 ばっかもん! ばっかもん!

   あぁ あぁ あぁ

    嗚呼 嗚呼 嗚呼 ・・・ 」

売店に並ぶ駄菓子の上に垂れ下がる
「ラムネ」ののれんは風になびいて・・・

ベンチに ぐてっ と身を横たえた
土曜出勤のサラリーマン
経済新聞で顔を覆い今日の陽射しをよける
わずかな 呼吸の 屍(しかばね)を
淡く覆うように
向こうからやってくる
噴水の霧

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