空一輪の緑の火/英水
 
僕の内側に裂け目が入り、
膿がこびりついた
それが百舌に連れ去られ、ヤドリギとしてブランブランしている
僕なのである

それを見た人たちが感心して言った

わかってるんだなぁ、彼は。
ああ、そのやり方があったか。 
とかなんとか

僕はといえば、恥ずかしさにのたうちまわり、
かといって、つま先の奥には悟りを開いたような気持ちもあった

ヤドリギはわざわざ木陰に寄生するはずなどなく
空に近い場所に宿るわけだから丸見えなわけで
悟りを開くべく向かう壁などない
だから、その点、達磨のほうが悟りを開くには有利な状況にあるよね

とりあえず、
「いやぁ、それほどでも。
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(3)