空一輪の緑の火/英水
僕の内側に裂け目が入り、
膿がこびりついた
それが百舌に連れ去られ、ヤドリギとしてブランブランしている
僕なのである
それを見た人たちが感心して言った
わかってるんだなぁ、彼は。
ああ、そのやり方があったか。
とかなんとか
僕はといえば、恥ずかしさにのたうちまわり、
かといって、つま先の奥には悟りを開いたような気持ちもあった
ヤドリギはわざわざ木陰に寄生するはずなどなく
空に近い場所に宿るわけだから丸見えなわけで
悟りを開くべく向かう壁などない
だから、その点、達磨のほうが悟りを開くには有利な状況にあるよね
とりあえず、
「いやぁ、それほどでも。
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