ぼくのうたとおもわれるうた/エスエル1200
ひとりぼっちの
ぼくは
そっと
かなしみを覚えます。
キーボードをカタカタと叩いて
あいのうたをつくります。
きみだけにこっそり孤独を
伝えます。
ひとりぼっちでない
ぼくは
たまに
かなしみを忘れます。
世界のおおかたを鴨川に投げ入れて
考えることをすっぱりとやめてしまいます。
はじめからなかったことだと
皆がこぞって
笑いかけます。
ひとりぼっちだと思い込む
ぼくは
しばらく
せかいに満たされます。
そんなときは
名前の知らない遠い国へ旅します。
ぼくと
ぼくの靴と
服と帽子と
リュックと
サックと
サンドと
ウィッチと
ちょっとでも多くのものたちと
希望をしまえる箱を
探しに行きます。
ぼくはきっと
ひとりぼっちでないから
このうたもすっかり忘れてしまって
世界ともすぱんと切り離されてしまうのだけれど
知らないうちにきみへのあいのうたが
できてしまっている
のはどうして。
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