空腹×詩作×再生/yukimura
 
出会った言葉はどれも退屈だった
例えばどんな視覚現象よりも不確かで
不明瞭で目的がなく、雰囲気だけのものだった
そして悪いことにそれらはみな死んでいた

彼女は走っていく
誰よりも正確な表現のために
彼女は十八世紀以前のあらゆる画家の
悲しい空の青を乗り越える
一つの芸術のために
乳鉢の上ですり潰される時間よ
サボテンに寄生する
雌の臙脂虫よ
閉じ込められた部屋の中で
じっと愛などを見つめている
彼女は走っていく
何よりも小さな闘争のために
一切れの白紙と文字の狭間で
彼女自身の生存を見出すために
賞味期限の切れた言葉ばかりで
餓死しそうだから

   
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